■
- 作者: 向田邦子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2003/08/01
- メディア: 文庫
- 購入: 5人 クリック: 12回
- この商品を含むブログ (57件) を見る
- おーちゃんお勧め度: ★★★★★
- 感想: 昭和55年3月発表の作品。昭和56年8月には日本航空123便墜落事故でなくなっているので、本当になくなる直前の作品。
その昭和56年8月、私はその当時所属していた区民合唱団の夏季合宿で群馬県にいて、夕食の後、部屋から外を眺めていると、山の上がボーっと明るくなっているように見えた・・・のが今でもずっと心に残っている。いくら山の上とはいえ合宿所から見えるところにジャンボが墜落したりするのか?とも思うので、本当は自宅に帰ってきて、母親からそのニュースを聞いたことの衝撃に記憶が混乱しているだけなのかも知れないんだけど。いや、きっとそうだな。
なにはともあれ、この年になって初めて向田邦子を読んで、友情と恋愛と戦争と家族の情景が短い文章と会話の中で生き生きしていて、本当にすごいなあ、と思った。もっと細かいところも書いてくれればもっと読み応えがあるのに。というか、読みたい。と思わせる作品。
というか、仙吉と門倉が出会う前に仙吉はたみと結婚したのか? それとも、出会った後なのか? 門倉はそのとき何していたのか? 君子と結婚していたのか? と考えてしまって仕方がない。