河童・或阿呆の一生 (新潮文庫)

河童・或阿呆の一生 (新潮文庫)

  • おーちゃんお勧め度: ★★★★★
  • 感想: 『大導寺信輔の半生』『玄鶴山房』『蜃気楼』『河童』『阿呆の一生』『歯車』の六編からなる短編集。『大導寺信輔の半生』と『蜃気楼』は、うーん、難しくてよくわからなかった。けど、寝たきりになったお義父さんとまた腰を痛めて動けないお義母さん、そこへ看病にやってくるお義父さんの妾、もう、どうにも暗〜い家庭状況を描いた『玄鶴山房』。或精神病院の患者、第二十三号が語る『河童』の世界。死を覚悟した芥川龍之介が晩年に執筆し死後に発表した自伝的小説『阿呆の一生』そして、その続編的な『歯車』。解説等を除けば200ページにも満たない文庫本なのだけど、読み応えは上記、上下巻ものよりよっぽど重かった。芥川龍之介ってすごいね。そりゃすごいか。